山口県(日本)、山東省(中国)、慶尚南道(韓国)の3地域は、ともに隣国への海の玄関口を有するという共通点をもつ。
3地域交流に先立ち、山口県と山東省が1982年8月に友好協定を締結、山口県と慶尚南道は87年6月に姉妹提携締結、山東省と慶尚南道は93年9月に姉妹/友好都市締結を行った。
97年、山口県-山東省15周年、山口県-慶尚南道10周年を契機に、双方間の交流からもう一段階発展した協力強化のため、トライアングル交流の推進が始まった。2006年からは具体的な協力アジェンダを話し合うため、交流実務会議と交流事業を毎年開催してきた。以来、文化・青少年・福祉分野等、多方面での交流を続けている。一方、大学単位での交流も行われている。
- 2006年〜:3地域交流実務会議を持ち回りで開催
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山口県、山東省、慶尚南道の協力事業は山口県・山東省友好協定15周年、山口県・慶尚南道姉妹提携10周年を契機に、3者による広域連携・施策連携を図るため、共同交流事業が開始された。以来、文化・青少年の分野を中心に交流を続けてきた。2006年からは交流実務者会議を持ち回りで開催し、3地域の交流事業を実施している。
近年開催された第10回3地域交流実務者会議は、2021年12月に山口県の主催によりテレビ会議形式で行われ、高齢者福祉政策をテーマに3地域の国際交流部署及び高齢者福祉部署の実務者が参加し、政策発表及び意見交換を行った。
各種行事の開催実績
日程 | 開催地 | イベント |
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1997年11月 | 山口県 | ∘ 東アジア文化の集い ∘ 第1回国際文化シンポジウム |
1998年2月 | 山口県 | ∘ 国際環境シンポジウム |
1999年11月 | 山東省 | ∘ 第2回国際文化シンポジウム |
2001年10月 | 慶尚南道 | ∘ 第3回国際文化シンポジウム |
2006年11月 | 山口県 | ∘ 第1回3地域交流実務会議 ※実務会議の定期開催に合意 ∘ 3県省道観光交流フォーラム |
2007年9月 | 山東省 | ∘ 第2回3地域交流実務会議 |
2007年10月 | 山口県 | ∘ 山口県・山東省25周年、山口県・慶尚南道20周年記念事業。 → 山口県・山東省・慶尚南道トライアングルフォーラム〈国際交流・国際観光・自然環境〉 → 三県省道高校生スポーツ交流 |
2011年3月 | 慶尚南道 山東省 |
∘ 第3回3地域交流実務会議 ∘ 3者メディア交流・協力事業 |
2012年2月 | 山東省 | ∘ 第4回3地域交流実務会議 |
2012年7月 | 山東省 | ∘ 山口県・山東省30周年、山口県・慶尚南道25周年記念事業 → 伝統文化芸術交流 → 報道交流協力の検討会 → 体育友好交流(種目:卓球) → 青少年政策専門家シンポジウム |
2014年8月 | 山東省 | ∘ 第5回3地域交流実務会議 ∘ 3県省道青年卓球友好交流試合 |
2015年9月 | 慶尚南道 | ∘ 第6回3地域交流実務会議 *開催周期を1年おきに変更 ※ MERSによりバスケットボール大会が中止 |
2017年8月 | 山口県 | ∘ 第7回3地域交流実務会議 ∘ 開催周期を隔年から毎年に変更 ∘ 山口県・山東省35周年、山口県・慶尚南道30周年記念事業 → 3地域青少年文化公演 |
2018年8月 | 山東省 山口県 |
∘ 第8回3地域交流実務会議三県省道書画交流 ∘ 山口ゆめ花博 |
2019年11月 | 慶尚南道 | ∘ 第9回3地域交流実務会議 ∘ 馬山菊祭りでの伝統武道公演にて、薙刀(日本)、太極拳(中国)、テコンドー(韓国)を披露 |
2020年11月 | 山口県 *オンライン開催 |
∘ 第10回3地域交流実務会議(事前準備会議) ∘ 2021年交流行事(高齢者福祉交流)推進事項協議 ∘ その他新規事業開拓の可能性について(2022年山口県・山東省友好都市40周年、山口県・慶尚南道姉妹都市35周年記念交流協力等) |
2021年12月 | 山口県 *オンライン開催 |
∘ 第10回3地域交流実務会議) ∘ 高齢者福祉政策の情報交換及び2022年度開催計画議論 |
2022年[未定] | 山東省 *オンライン開催予定 |
∘ 第10回3地域交流実務会議 ∘ 韓方を通じた国際交流会議に関する情報交換会及び青少年伝統楽器演奏会開催予定 |
- 2020年第10回3地域交流実務会議(写真提供:山口県)
- 1997年~:山口県立大学、曲阜師範大学、慶南大学校の交流事業を継続
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山口県立大学は、曲阜師範大学(山東省)、慶南大学校(慶尚南道)と学術交流協定を締結し、2000年度から両大学の学生が毎年夏期に来日している。同事業は、1997年から99年に実施された「3大学トライアングル交流事業」が前身であり、それが発展する形で2000年から行われているものである。
「グローバル学生交流事業」は、毎年6月末から7月の約3週間にわたり実施されている。学内外との交流を図りながら、学生と地域の国際化を目的としている。そのため、プログラム期間中は、中韓からの学生達は日本語講義をベースに、ホームステイ、日本文化体験、学部学科交流、学生交流会など多岐にわたる活動に参加する。新型コロナウィルス感染症の影響で2020年より2年間事業が中断され、今後は新型コロナウィルスの感染拡大を考慮し再開する予定である。
なお、山口県立大学の学生も、短期留学プログラムで曲阜師範大学及び慶南大学校にそれぞれ学生を送っている。前者は同県立大学の学生のみが対象であり、後者は日本、中国以外の提携校の学生も含まれている。
- 山口県立大学の各学部学科との交流の様子(写真提供:山口県立大学)