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• ２０１９年７月の覚書署名式左から日中韓三国協力事務局長、昌寧郡守、漢中市副市長、佐渡市長
  （撮影：日中韓三国協力事務局）

１９９９年、２００８年：中国から日本、韓国にトキ寄贈

日本は、１９８５年より中国からトキを借り受ける等により日本のトキとのペアリングを試みたが成功していなかった。９８年１１月、江沢民国家主席が国賓として訪日をした際に天皇陛下にトキのつがいの贈呈を表明、９９年１月に佐渡に到着し、その後増殖に成功した。韓国は、２００８年５月に李明博大統領が国賓として訪中した際に胡錦涛国家主席より同大統領にトキのつがいの贈呈を表明し、同年１１月に韓国・昌寧郡に到着、増殖に成功した。

２０１２年～：トキ保護増殖事業のための日中韓の情報共有

日中韓３か国において、トキの保護増殖事業に携わっている各国の関係者が集い、トキの保護の現状などを報告するとともに、情報の共有を図るため、国際会議やシンポジウムを行っている。最近の事例として、２０１４年１１月に中国、１６年１２月に日本、１９年５月に韓国にて実施されている。

２０１８年〜：中国で第１回トキ国際フォーラム開催、２０１９年に交流を本格化させるため覚書を締結

２０１８年５月、陝西省漢中市洋県にて、日中韓のトキに携わる関係者らが各地の取り組みを紹介する初の「トキ国際フォーラム」が実施された。同フォーラムは、トキの保護に関する協力にとどまらず、トキを媒介として産業、観光、文化交流等幅広い交流を目ざすために企画されたものである。

２０１９年７月１１日、韓国ソウルにて、日中韓三国協力事務局主催、中国・トキ国際フォーラム事務局共催で「トキ国際フォーラム２０１９inソウル」が開催された。２０１９年は、韓国で初めて野生放鳥に成功した記念すべき年であり、初の日中韓首脳会合から２０周年でもあることから、日中韓三国協力事務局が所在する韓国ソウルで実施する運びとなった。

同フォーラムにおいては、三浦基裕佐渡市長、張建国（ジャン・ジエングオ）漢中市副市長、韓珵宇(ハン・ジョンウ)昌寧郡守及び李鍾憲(イ・ジョンホン)日中韓三国協力事務局事務局長による覚書が締結され、今後、トキに関連した行事を実施していくこと等、トキを媒介にした文化、観光、青少年交流など様々な交流を実施していくことにつき合意された。各セッションでは、トキを通じた地方交流や観光の活性化について議論がなされた。また、本フォーラムに併せて日中韓のトキ生息地の子ども交流プログラムが実施され、同フォーラムの午後にはセッションに先立ち、３か国の子どもたちによる公演が行われた。

• ２０１９年ソウルのフォーラムで韓国のトキの童謡を歌う日中韓の子どもたち
  （写真：日中韓三国協力事務局）

これまでの実績

２０１９年５月：３か国の来賓が見守る中、韓国で初の野生放鳥に成功

２０１９年５月２２日、韓国における唯一のトキ生息地である慶尚南道昌寧郡において、長年の念願であった野生放鳥が実現した。放鳥式には日本と中国の来賓が出席した。出席した佐渡副市長と昌寧郡守との間で、「トキの復元に関する友好交流意向」を締結した。また、翌２３日、同郡にて、トキの増殖や野生復帰のための日中韓シンポジウムが実施された。

２０２１年５月：トキ発見記念４０周年日中韓オンライン記念イベント開催

２０２１年５月２１日、新潟県・中国陝西省・韓国慶尚南道道庁は「未来に向けて：トキ発見記念４０周年日中韓オンライン記念イベント」を共同開催した。佐渡市・漢中市・昌寧郡の実務関係者はオン・オフラインでトキの保護経験及び未来のビジョンについて発表し、日中韓学生のトキ童謡公演を実施した。

• 「未来に向けて：トキ発見記念４０周年日中韓オンライン記念イベント」現場の姿
  （写真：中国陝西省）

• 未来に向けて：トキ発見記念４０周年日中韓オンライン記念イベント」にてトキの童謡を歌っている中国の学生達の姿
  （写真：中国陝西省）